
雨の日はスコーン日和だ。
晴れた日に焼いてピクニックに出かけるのも楽しいけれど、スコーンというお菓子の素朴さや、無心になってバターを小麦粉に練り込むあの黙々とした時間は、窓を打つ雨音や灰色の空によく似合う気がする。
「スコーンを作ってみよう」と初めに誘ってくれたのは夫だった。
夫の母の得意料理のひとつがスコーンだったのだ。
参考にしているレシピはEmojoieさんのもの。https://youtu.be/n2a_d_Zzi-I?si=9YaVmuacBZCXDoJU
私たちはこれにベーキングパウダーを少し多めに加えて、少しさっくりとさせている。
ポイントは、打粉をしっかりとすることと、生地を決して練らず、切るように混ぜること。
このふたつをしっかり守ると、お腹の割れたスコーンらしいスコーンが焼ける。
我が家ではクロテッドクリームではなく、かために泡立てたホイップクリームを添えることが多い。


スコーンが思い通りに焼きあがる成功率は今の所七割くらいで、膨らみすぎたり、逆に硬くなってしまうこともある。
そういう時、「うまくいかなかった」と気落ちするのは大抵私の方だ。
万事につけてゆったりとしている夫は、「そう?美味しいけど」と私の落ち込みを軽く受け止め、スコーンと一緒に平らげてしまう。
夫婦で同じ作業に取り組むと、ふたりの性質の違いが浮かび上がる気がする。
私は何かと気にしすぎ、夫はさほど細かな点に頓着しない。
小さなことが気にかかり気分が振り回されやすい私は、たびたび夫の大らかさに救われている。
スコーンは、ぴっしりと整った細やかなお菓子ではない。
粗い表面やひとつひとつ個性のあるばらばらな形、お菓子としてはどこか朴訥とした、時に粗雑でさえある部分が私は好きだ。
不揃いなお菓子を焼く、不揃いな私たち。
互いのでこぼこを、その粗い手ざわりのままに整えず、一緒にいられたらいいなと思う。